0
0Comments
Loading Translate Section...Loading Comment Form...
Loading Comment Form...
孔子は恠力乱神《かいりょくらんしん》を語らずといい給えども左伝《さでん》には多く怪異の事を載《の》せたり又中庸《ちゅうよう》に国家将《まさ》に興《おこ》らんとすれば禎祥《ていしょう》有り国家将《まさ》に亡《ほろ》びんとすれば|妖《ようげつ》ありと云うを見れば世の中には不可思議無量の事なしと言い難《がた》し殊《こと》に仏家《ぶっか》の書には奇異の事を出《いだ》し之《これ》を方便《ほうべん》となし神通《じんつう》となして衆生《しゅじょう》を済度《さいど》の法《のり》とせり是《こ》の篇に説く所の怪事も亦《また》凡夫《ぼんぷ》の迷いを示して凡夫の迷いを去り正しき道に入らしむるの栞《しおり》とする為《た》めなれば事の虚実は兎《と》まれ角《かく》まれ作者の心を用うる所の深きを知るべし
古道人
底本:「圓朝全集 巻の二」近代文芸資料複刻叢書、世界文庫
1963(昭和38)年7月10日発行
底本の親本:「圓朝全集 巻の二」春陽堂
1927(昭和2)年12月25日発行
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の表記をあらためました。
総ルビの底本から、振り仮名の一部を省きました。
入力:小林繁雄
校正:仙酔ゑびす
2010年2月8日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
●表記について
このファイルは W3C 勧告 XHTML1.1 にそった形式で作成されています。
「くの字点」をのぞくJIS X 0213にある文字は、画像化して埋め込みました。