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    秋

    NDC911
    E
    evame27/12/2024

    author: 萩原 朔太郎

    白雲のゆききもしげき山の端に

    旅びとの群はせはしなく

    その脚もとの流水も

    しんしんめんめんと流れたり

    ひそかに草に手をあてて

    すぎ去るものをうれひいづ

    わがつむ花は時無草の白きなれども

    花びらに光なく

    見よや空には銀いろのつめたさひろごれり

    あはれはるかなる湖うみのこころもて

    燕雀のうたごゑも消えゆくころほひ

    わが身を草木の影によこたへしに

    さやかなる野分吹き來りて

    やさしくも、かの高きよりくすぐれり

    (大正二年九月)

    底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房

       1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行

       1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行

    入力:kompass

    校正:小林繁雄

    2011年6月25日作成

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